
こんにちは!水彩画家の矢野元晴です。
今回は水彩画・夕景の海の風景の描き方をテーマにレクチャーしていきたいと思います。
今回の題材はギリシャ・パトモス島です!
それでは早速いってみましょう!
目次
水彩画・夕景の海の風景の描き方動画はこちら
5分動画ですが夕景の海の風景を下描きから完成まで短めに説明しております。
ご参考までに
水彩画・夕景の海の風景の描き方:スケッチ(下描き)
水平線からスケッチ

中心線を引き、遠景から描き込んでいきます。山の稜線に気をつけましょう。
全体をスケッチ

主役の船を描き込みボリューム感を出します。遠景の脇役の船もざっくり入れましょう。
水彩画・夕景の海の風景の描き方:ファースト・ウオッシュ(平塗り)
画面に水を塗る

紙全体を水で塗り、グラデーションがしやすくなるように下地を整えます。水彩は水に仕事をさせて描く絵です。
空をウオッシュ

上から下にかけて一気にウオッシュします。乾いてちょうど良い濃い色をしっかり入れましょう。
空:ウルトラマリンブルー
水面をウオッシュ

途中から濃いオレンジを入れ、水面まで塗りきります。相当濃い色をのせます。
夕景、水面:パーマネントイエローオレンジ(ホルベイン)
水彩画・夕景の海の風景の描き方:セカンド・ウオッシュ
海面を塗る

海面を下から上にかけて一気に塗ります。船の塗り残しに気をつけましょう。
下が一番暗く、上にいくに従い薄くすると距離感がでます。抜け感が出るようにしましょう。
海面:プルシャンブルー
山を塗る

奥の建物を塗り残しながら山を入れます。建物や帆が浮き上がります。ネガティブペインティング
遠くの山は少しぼかして距離感を出しましょう
山:パーマネントイエローオレンジ+ウルトラマリンブルー
水彩画・夕景の海の風景の描き方:バルール(影入れ)
船体の影を入れる

ヨットの暗いところを描き込み、立体感を出していきます。影を入れることで存在感をグッと出します。
船の影:ウルトラマリンブルー+ピロールレッド
さらに描き込む

水面の写り込みや細かい陰影を入れていきます。
水面影:ウルトラマリンブルー+ピロールレッド
水彩画・夕景の海の風景の描き方:ディテール(細部・完成)
手すりや水面写り込みを入れる

水面の写り込みをよく観察して描き込んでいきます。揺らぎや波の変化に気をつけましょう
完成

マスト、ロープを描き込み、ハイライトなどを入れて完成。ロープは少しかすれさせながら引くと立
体感がでます。画面を横にすると線がまっすぐ引きすくなります。
マスト:ホワイトガッシュ
水彩画・夕景の海の風景の描き方:パトモス島について
パトモス島の歴史と絶景風景|水彩画で描く心の旅
地中海に浮かぶ小さな島――ギリシャのパトモス島。
この島は、神秘と歴史、そして美しい風景にあふれています。特にキリスト教における重要な地として知られ、世界中から巡礼者が訪れる聖なる島。この記事では、パトモス島の知られざる歴史をやさしくご紹介しながら、その魅力を**水彩画で描くためのヒント(描き方)**もあわせてお届けします。
聖ヨハネが黙示録を書いた島
パトモス島が世界的に有名になったきっかけは、**聖書の「ヨハネの黙示録」**です。
紀元1世紀末、ローマ帝国によるキリスト教迫害の中で、使徒ヨハネ(聖ヨハネ)がこの島に流刑されました。その時、彼が洞窟の中で神の啓示を受け、終末の預言を書き記したのが『黙示録』とされています。
この洞窟は現在「黙示録の洞窟(Cave of the Apocalypse)」として、ユネスコ世界遺産に登録されています。中世からの修道院と合わせて、島全体が宗教的遺産として守られているのです。
島の歴史と文化のハーモニー
パトモス島は歴史的に小規模ながら、さまざまな支配を受けてきました。ビザンツ帝国、ジェノヴァ、オスマン帝国、イタリアなどに統治されながらも、常に精神的な中心地としての役割を担ってきました。
特に1088年に建てられた「聖ヨハネ修道院」は、パトモスのシンボル。中世の要塞のような佇まいで、まるで時が止まったかのような景観を作り出しています。現在でも修道士が暮らし、信仰が息づく島なのです。
絵になる風景|パトモス島の魅力
歴史が豊かなだけでなく、パトモス島の風景はまさに水彩画向き。島全体が穏やかな丘に囲まれ、白壁の家々が青い海に映えます。
港町のスカラ、丘の上のホラ村、そして夕暮れのアイギオス・イオアニス修道院――どこを切り取っても絵になる絶景ばかりです。
水彩画で描くパトモスの風景|初心者向けの描き方ポイント
旅の思い出を心に留めるだけでなく、水彩画にして残してみませんか?
以下に、パトモス島の風景を描くときのポイントをいくつかご紹介します。
① 白い建物と青い空のコントラスト
ギリシャ建築の象徴、白い壁と青いドームは、紙の白を活かすことがコツ。建物の陰影には薄いグレーや淡いブルーを使い、やわらかい影を演出します。
② エーゲ海の透明感
海の描き方は水彩の醍醐味。ウルトラマリンブルーに少しのグリーンを混ぜ、透明感のある海をにじませて表現しましょう。港の静かな水面は、にじみとぼかしをうまく使うのがポイントです。
③ オリーブの木や石畳の質感
地中海らしい風景には、オリーブの木々や石畳の路地が登場します。ドライブラシでゴツゴツした質感を出したり、葉の色にセピアやサップグリーンを重ねると自然な深みが出せます。
パトモス島で感じる時間と心の余白
パトモス島には、派手さはありません。けれど、静けさと敬虔な空気、そして自然が織りなす美しさは、訪れた人の心に深く残ります。
忙しい日常を離れて、こうした場所の風景を水彩で描くとき、ただ「絵を描く」以上の体験が得られるかもしれません。
それはまるで、自分自身の黙示録を心の中に綴るような、静かな時間なのです。
まとめ|歴史を知ることで風景がもっと描きたくなる
パトモス島は、歴史と風景、そして精神的な豊かさを兼ね備えた、まさに**「描きたくなる島」**です。
旅で出会った感動を、そのまま水彩画に表現することで、自分だけの物語を作品に込めることができます。
「歴史を知ること」は、風景をより深く感じるための第一歩。
ぜひ、あなたのパレットに、パトモスの光と影を乗せてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ギリシャのパトモス島は夕景が美しくとてもロマンチックなところです。
お酒やシーフードも美味しいのでぜひ訪れてみてくださいね。
ではまた次のブログでお会いしましょう。
※私は鎌倉で水彩画教室も開催しております。
体験無料です。(画材貸し出しあり)
デモンストレーションを交えて分かりやすく丁寧にお教えいたしますので
初心者の方でも大丈夫です! よろしければぜひご連絡ください。
教室問い合わせ:鎌倉水彩画塾
↓
コメントを残す